今回は、翻訳を独学で始めたい方におすすめの本をご紹介いたします。
・翻訳を独学で勉強したいけれど、何から始めていいのかわからない。
・英語の語学力以外に、翻訳にはどういった能力が必要なのだろう。
・参考書がたくさんあってどれを選んでよいかわからない。
このような疑問をお持ちの方にオススメの3選をご紹介します。
翻訳に関しては、たくさんの素晴らしい書籍があるので、正直、どれを選んでいいか迷ってしまいますよね。
私もさまざまなレビューや記事を何度も読んでこの3つに絞りました。
下記のおすすめ3選の概要、内容、例文を少しご紹介したいと思います。
おすすめ3選
・翻訳スキルハンドブック【初心者におすすめ!】
・翻訳の布石と定石
・英文翻訳術
翻訳スキルハンドブック【初心者におすすめ!】
著者紹介:駒宮俊友さん
ビジネス、法律、旅行、アートなどさまざまな分野の翻訳・校正業務に従事される一方、
大学を中心に翻訳・語学教育にも携わっている方です。
概要と特徴:
●翻訳者に求められるスキルである「原文分析スキル」、「リサーチスキル」、「ストラテジースキル」、「校正スキル」等が体系的にまとめられている。
●「意味はなんとなく分かるけれど、読みづらく、違和感のある翻訳」から卒業できる。
●原文の意味をしっかり伝え、なおかつ読みやすい理想的な訳文をつくるのに必要なプロセスを知ることができる。
●翻訳作業中に発生するさまざまな問題を、適切なスキルで処理するための思考を養える。
本書の冒頭で下記のような例文が紹介されています。
原文:Optimists can cope more effectively with stress.
直訳:楽観家は、ストレスをより効果的に処理することができる。
訳例:楽観的な人間ほど、ストレスをうまく付き合える。
上記の訳例に到達できるように、さまざまなステップが紹介されています。
例えば、
●canの訳し方
●more effectivelyの訳し方
等々。
さらに、初期の段階で誰もが一度は悩んでしまう英文訳出の方法がとても分かりやすく解説されています。
●Youをどう訳すか。
●Feelの訳出のコツ。
●「の」を多用しない。
●言い換えのコツ。
等々。
翻訳の布石と定石
著者紹介:岡田信弘さん
優秀な翻訳者を多数輩出しているサン・フレアアカデミーの学院長。
概要と特徴:
●さまざまな分野の翻訳パターンが体系的に整理されている。
●悪訳・誤訳も含めた豊富な訳例が紹介されている。
●自然な名詞の訳出方法、訳し上げ/訳し下げ、能動/受動の選択方法も。
本書では、下記のような例文が紹介されています。
●訳出が難しい名詞の処理に関する例文。
原文:The law has reduced domestic violence by 67%.
直訳:同法は、ドメスティック・バイオレンスを67%減らした。
訳例:同法により、ドメスティック・バイオレンスが67%減少した。
●Allow 人 to 動詞構文の訳出の一例。
原文: File Transfer Protocol (FTP) allows users to transfer files between network hosts.
直訳:ファイル転送プロトコル(FTP)は、ユーザーがネットワーク・ホスト間でファイルを転送することを可能にする。
訳例:ファイル転送プロトコル(FTP)を用いると、ユーザーがネットワーク・ホスト間でファイルを転送することが可能になる。
少し難しく感じる文章でも、
一旦、訳出のコツを学べば、スッキリとした訳出に整えられるようになります!
英文翻訳術
著者紹介:安西徹雄さん
上智大学名誉教授。シェイクスピア研究の第一人者である。
概要と特徴:
●多くの現役翻訳者が本書を推薦している。
●一見、難しそうにみえる内容だが、安西氏の翻訳に対する考え方や発想が訳出の説明を通して勉強できる。
本書では、無生物主語の処理の仕方を下記のように訳出しています。
原文:Diligence has made him rich.
直訳:勤勉だったからこそ、彼は金持ちになれたのだ。
原文:His wealth enables him to do anything.
直訳:彼には金があるから、なんでもできる。
原文:This fact shows that he is innocent.
直訳:この事実によって、彼の無実がわかる。
今回は、独学で翻訳の勉強を始めたい方にオススメの本を紹介させていただきました。
どの本を読んでも新しい発見や学びが得られますが、私は自然な訳出を頭に染み込ませるのために、同じ本を何度も読み返しています。
翻訳を始めたい!と思っていらっしゃる方に、少しでも役立つ情報となれば幸いです。
